フィリピン不動産購入時フィリピン現地の銀行の住宅ローンについて徹底解説

フィリピン不動産の購入を検討し始めた時、出てくる悩みとして、現地の銀行で住宅ローンを組めるのかと疑問を持たれる方は多くいらっしゃいます。
海外の不動産投資となるため、日本での居住用の住宅ローンほど金利は安く有りませんが、フィリピンの銀行ならではのメリットもあります。

ここではフィリピンの銀行で日本人も利用できる住宅ローンをご紹介します。

目次

フィリピンの住宅ローンの最大のメリット ノン・リコース・ローン


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ノン・リコース・ローンは、不動産購入・ローン支払い開始後、万が一返済が滞った際には、物件を手放すことでそれ以降の返済が免除される仕組みです。

フィリピンで住宅ローンを組む場合、「ノン・リコース・ローン」を利用することになります。

また、フィリピンの銀行でローン返済が滞り、不動産を手放したとしても、日本国内の個人情報の信用が落ちることは有りません。

原則として保証人が必要ない部分も日本とは違い、これがフィリピンの現地銀行の住宅ローンを利用する最大のメリットとなります。

一般的に5年〜10年ほどの短期間での設定


フィリピンの現地銀行の住宅ローンでは、5年〜10年ほどの融資期間を設定することが一般的です。

フィリピンの現地銀行での住宅ローン申し込み条件


フィリピンの現地銀行での住宅ローンの申込み条件は一般的に以下の通りです。

ビザがなくても住宅ローンを組める?

フィリピン居住者のほうが優遇されますが、ビザを持たない外国人でもフィリピンの銀行の住宅ローンを利用することが可能です。

BDO銀行の場合の借入可能額と返済期間は以下の通りです。
借り手 借入可能額 返済期間
居住者 物件の査定額の80% 10年
非居住者 物件の査定額の70% 5年

フィリピン居住者の場合

フィリピン居住者の場合、以下のビザが必要となります。

例) SIRVビザ (Special Investor’s Resident Visa)
SRRVビザ (Special Retiree’s Resident Visa)
PEZA (Phil. Economic Zone Authority 発行のビザ)
外国人ビジネスマンビザ (Immigration Act Sec. 9D Alien Businessman)
労働ビザ (Immigration Act Sec. 9G Pre-arranged Employment)
結婚ビザ (Alien Spouse of A Filipino Citizen Section 13A)

フィリピン非居住者の場合

非居住者の場合、フィリピン人の保証人が必要となります。また、公証された委任状(Special Power of Attorney) を用意する必要があります。

住宅ローンを組めるフィリピン現地の銀行


フィリピンの大手銀行では外国人向けの住宅ローンが用意されており、中には日本人向けのジャパンデスクが設置されている銀行も存在します。

PNB銀行(Philippine National Bank)

1900年代の初めにフィリピンの国立銀行として設立されました。主に海外で働くフィリピン人の送金業務を行い、フィリピン国内に656拠点、海外には77拠点あります。

日本には東京支店や名古屋出張所があるので、日本国内での手続きも可能です。

PNB銀行の住宅ローンの主な内容は以下の通りです。

通貨:円建て
融資金額:最低借入金額は100万ペソ〜
金利:5.95% (2016年8月10日現在)
   固定金利5%+みずほ銀行の長期プライムレート0.95%※毎年見直し

PNB銀行では、複数の物件に対して融資可能となっており、最大4軒まで借り入れすることが可能です。また、同一プロジェクトの融資申請を一緒に行うことも可能です。

BDO銀行(Banco De Oro)

1967年設立のフィリピン最大手の商業銀行です。最大の財閥「SMグループ」に属しているため、同財閥が運営するショッピングモールには多くの支店やATMが設置されています。

日本に支店はないものの、フィリピンの銀行では最大のジャパンデスクを設けています。日本人の個人の取引についても日本語で説明してくれるので安心です。

融資期間と融資額は前述の通りですが、返済期間に合わせて金利が変動します。
固定返済期間 (年) 利子
1. 5.50%
2. 6.50%
3. 6.50%
4. 6.88%
5. 6.88%

HSBC Premier

HSBCは香港上海銀行を母体とした世界最大級の銀行です。


富裕層向けの「HSBC Premier」という口座が用意されており、口座開設時、400万ペソ、最低維持残高は10万ペソの預金が必要ですが、HSBC Premierを利用することで他行よりも低金利で住宅ローンを組むことができます。

通常、最低維持残高を下回ると1000ペソのペナルティが発生しますが、住宅ローンの利用中はそのペナルティは免除されます。

通貨:ドル建て
融資金額:物件の60%以内
金利:4.5%(変動金利)

住宅ローン申請・融資実行の手順


これまでに解説してきた銀行はやはり日本人向けの住宅ローンを数多く取り扱っていることも有り、購入者の手間はとても少なくなっています。 上記PNB銀行での住宅ローン申請の手順は以下の通りです。


東京支店にて融資申し込み

審査可決となれば、融資可能金額・期間・条件が記載されたファシリティレターが郵送される。

ファシリティレターへの記入、署名の上、返送(東京支店発送から30日を超えるとファシリティレターは無効となるため注意)

東京支店にて円普通預金口座 (ローン返済口座) の開設、約定書等へ署名

公証人役場での認証手続き

PNB東京支店がフィリピン領事館での約定書等の認証手続きを代行

PNB銀行内でデベロッパーや売り主と連携し、PNB銀行から売り主へ直接支払われます。

まとめ


フィリピン不動産を購入する際の資金調達はある程度の頭金が必要なものの、複数のフィリピン現地の銀行が外国人向けの住宅ローンを用意しています。 融資期間が短いというデメリットはありますが、銀行とデベロッパーが連携してくれるため、ローン申請から毎月の支払いまで手間が少ないことは非常に高いメリットです。全額自己資金で購入することがコストを下げる一番の方法ですが、日本の制度とは違うノン・リコース・ローンは検討の価値があるため、資金計画の一つに入れることをおすすめします。

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