フィリピンのお金持ちはどんな人?長者番付から紐解く貧富の格差

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フィリピンで長者番付に載るようなお金持ちはどんな人かご存知ですか?

今回はフィリピンのお金持ちや国内の貧富の格差、今後の所得の推移についてご紹介していきます。フィリピンへ投資する上では、国内景気は大きく関わってきます。

目次

フィリピンの長者番付について


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アメリカの経済紙「フォーブス」によると、フィリピン国内で資産10億ドル(約1100億円)以上を保有する大富豪は17人いると発表さました。これは2019年度版の長者番付で、上位7位までの顔ぶれと保有資産はこのようになっています。

順位 氏名 保有資産 詳細
1 マニュエル・ヴィラ―ル 55億ドル 不動産ビスタランド&ライフスケープスの代表であり元上院議員
2 ジョン・コゴンウェー 51億ドル 食品会社ユニバーサル・ロビーナやセブパシフィックを傘下に持つJGサミット・ホールディングス代表
3 エンリケ・ラソン 48億ドル カジノリゾートや港湾保守運営会社インターナショナル・コンテナ・ターミナルサービスを運営
4 ルシオ・タン 44億ドル フィリピン航空の大株主で財閥LTグループの代表
5 トニー・タン 39億ドル ハンバーガー店をチェーン展開するジョリビー・フード・コーポレーションの代表
6 ラモン・アン 29億ドル ビール会社をはじめとする複合企業サン・ミゲル社の代表
7 アンドリュー・タン 27億ドル 不動産デベロッパー、メガワールドの創業者

ちなみに2008年から11年連続で首位の座にいた、ショッピングモール「SMモール」などを展開するSM財閥の創業者ヘンリー・シー氏は、2019年1月に死去したため順位が変動しました。

ちなみに彼の遺産を相続した子供6人はいずれもSM財閥の要職に就き、世界の長者番付の1000位以内にランクインしています。

フィリピンのお金持ちの特徴

このようにフィリピンのお金持ちはいずれも国内を代表する財閥や複合企業、有名会社のCEOがほとんどです。フィリピンの主要な産業はこうした財閥が大きな影響を与えており、フィリピン経済の80~90%にこの財閥が絡んでいると言われています。

フィリピンの財閥は、大きく分けると「スペイン系」と「中華系」とに分類できます。スペイン系はかつてフィリピンを植民地としていたスペイン人に系譜をくみます。植民地時代に地主となったスペイン人が、その不動産を元手にして企業買収や投資を行って大きな財を成しました。スペイン系の財閥は銀行や保険業界といった金融系に進出しているのが特徴です。

もう一方の中華系は、1800年代頃から徐々にフィリピンをはじめとする東南アジア諸国へ渡ってきました。もともとは下働きや農業などから商売を始め、華僑ならではの商才からフィリピン国内での事業を拡大してきました。11年連続で首位だったSM財閥の創始者や長者番付7位のメガワールドの創業者であるアンドリュー・タン氏もこうした中華系です。

フィリピンは貧富の差が激しい


フィリピンにはこれまでご紹介したような大富豪がいる一方で、学校にも通えないストリートチルドレンやスラム街で暮らすなどの貧しい人々が多いという現状があります。

それは私たち日本人が想像する貧乏な暮らしよりもはるかに深刻で、ドゥテルテ大統領が掲げた経済政策にも貧困層の保護が掲げられているほど。長者番付に載るような大金持ちと、その日の食べ物さえ口にできるか分からない貧困層の間には、大きな貧富の差が横たわっています。

フィリピンの平均資産から見る貧困の深刻さ

ここでフィリピン人の純資産をご紹介していきます。(1ドル=107.16円で計算)

西暦 フィリピン アジア太平洋諸国平均 世界平均
2000年 2,768ドル (約297,000円)
2016年 9,878ドル (約1,059,000円) 46,325ドル (約4,964,000円) 52,819ドル (約5,660,000円)

上の表はCredit Suisse社の「The Global Wealth Report 2016」に基づいた金額です。これを見て分かるようにフィリピンの純資産は他のアジア太平洋諸国の平均と比べるとはるかに少ないのが分かります。世界平均と比べてもわずか五分の一以下。

しかもこれはあくまで平均の資産額です。資産額を大きい順で並べて、ちょうど真ん中にくる「中央値」はと言えば2,055ドル(約220,000円)という驚くべき金額。ここからもフィリピン国内では貧富の差が激しいということが分かります。

フィリピンでは中間所得層が増えつつある

こうした貧富の差が激しい状況の中でも、フィリピン国内の中間所得層は着実に増えています。

下のグラフは2020年3月に経済産業省が作成したフィリピンのカントリーレポート内の、フィリピン国内における世帯所得分布です。

参照URL: https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/countryreport_Philippines.pdf

これによると2000年には21.6%だった中間所得層(世帯年収5,000~35,000ドル以下)が、2018年には68.3%にまで上昇しているのが分かります。

特に10,000~34,999ドルまでの中間所得層の中でも上位の割合がグンとアップしています。こうした所得水準の上昇により購買力の高い中間層が増え、住宅や自動車などの耐久消費財の市場が拡大してくると考えられます。

フィリピンのお金持ちはどんな人?長者番付から紐解く貧富の格差まとめ


今回は長者番付から見るフィリピンのお金持ちの顔ぶれや貧富の格差などについて解説してきました。フィリピンの富豪はスペイン系か中華系の財閥がほとんどを占め、貧困層との格差は日本以上だということが分かりました。

とはいえ中間所得層も着実にふえつつありますので、フィリピンの不動産景気はますます活況になると予測できます。