大手不動産デベロッパーの特徴としては、「不動産事業以外にもエネルギーなどのインフラ事業や銀行などの金融事業なども展開している」ことが挙げられます。
日本の財閥系企業をイメージしていただけるとその業態の広さがイメージつきやすいでしょう。
また、フィリピンの成長とともに土地開発などを行っていることから、それぞれの企業の名前がついた駅や地域があり、フィリピンを訪れたことのある方には、それぞれの企業の大きさを日々感じることができます。
大手不動産デベロッパーは街をつくり、その国の経済をつくり、勝算の元にコンドミニアムを建設していることから、フィリピンの不動産購入をご検討中の方は大手不動産デベロッパーの物件を選択することで価格が上がりやすく下がりにくい物件を選択する近道と言えるでしょう。
目次
フィリピンの大手不動産デベロッパー7社を比較!
センチュリープロパティーズ
センチュリープロパティーズは高所得者層向けの住宅に特化した開発を行っています。上述のアヤラランドのように、フィリピンの不動産デベロッパーは様々な業種を営むコングロマリットである企業が多い中、センチュリープロパティーズは不動産開発に特化しています。
東南アジアで初めてのトランプタワーの開発に携わるなど、世界からも高い評価を得ています。
また、業種の垣根を超えてファッションブランド「ベルサーチ」とのコラボレーション「ミラノレジデンス」や、イタリアのアパレルメーカー「ミッソーニ」とのコラボレーションプロジェクト「アクア・リビングストーン」、「パリス・ヒルトン」をアメニティエリアのデザイナーに起用した大型プロジェクトである高級リゾートビーチクラブ「アズール」、「アルマーニ」とコラボしたハイエンド向けプロジェクト「センチュリースパイア」なども手掛けています。
DMCI
DMCIも他の財閥系不動産デベロッパーの例に漏れず、インフラ事業なども手掛けるコングロマリットです。空港ターミナルやシャングリラホテルなども建設を手掛けており、その実績は海外のブルネイ国王の宮殿にまで至ります。
企画から建設・販売までを自社で行うため、比較的安く手に入れることができます。しかしそれは同時に外部のチェックが入りにくいとも言え、賛否あるようです。
フェデラルランド
フェデラルランドに関しても、フィリピン国内第2位の銀行メトロバンクなども経営するコングロマリット(GT Capital Holdings)となっています。
フェデラルランドの特徴としては、特に日本企業とのコラボレーションが目に止まります。
2011年には日本のオリックス株式会社が30%、フェデラルランドが70%を出資する合弁会社を設立し、住宅の開発やホテルなどの宿泊施設のあるリゾート施設をフィリピン国内で開発しています。
また2017年7月には日本のデパートでおなじみの三越伊勢丹HDや日本の不動産デベロッパー野村不動産、フェデラルランドの三企業の間で、ショッピングモール併設のコンドミニアム「サンシャインフロート」をボニファシオグローバルシティで開発することが決まりました。こちらは2025年の完成をめざしています。
これらは建設基準に日本企業の手が入っているということから、日本人から見ても安心材料になると言えるでしょう
メガワールド
メガワールドも他の不動産デベロッパーと同様に多くの事業を手がけるコングロマリット(アライアンス・グローバル・グループ)です。
こちらのグループ企業ではフィリピン最大のブランデー会社「エンペラドール」やホテルリゾートを運営しているだけでなく、フィリピンマクドナルドの株式49%を保有していることでも知られています。
また、レジャー・娯楽関連に関しては、自社で開発する複合施設にカジノエンターテイメントを組み合わせたスタイルを積極的に採用。マレーシアの娯楽大手と合弁会社を設立し、フィリピン初の統合型カジノリゾート施設「リゾートワールド マニラ」なども運営しています。
ロビンソンズランド
ロビンソンズランドは、フィリピン最大級のコングロマリット「JGサミット・ホールディングス」のグループ企業です。JGサミットホールディングスの傘下には他にセブパシフィック航空やロビンソンズ銀行などがあります。
またフィリピンを代表するショッピングモールである「ロビンソンズ」も手掛けています。
国外への拡大も続けており、日本の株式会社ザイマックスと提携し、「からくさホテル」というインバウンド旅行者をターゲットとしたホテルを大阪と京都で運営しています。
シャングプロパティーズ
シャン具プロパティーズは「KUOKグループ」に属し、シャングプロパティーズでは、シャングリラホテルの株式を60%保有し、傘下には10社もの子会社を保有しています。
シャングプロパティーズは高級レジデンスや高級コンドミニアムを多く手掛けていますが、手掛けた物件の特徴として、シャングリラホテルを手掛けているだけあり、建物には上質な雰囲気や高級感が演出されています。
物件によっては、24時間のコンシェルジュサービスやシャングリラホテルの関連サービスも利用できるなどのサービスも充実しています。
SMDC
フィリピンの大企業・コングロマリットといえば老若男女問わず挙がる名前の一つとして「SMグループ」です。フィリピン各地に74のSMモールが点在し、どのモールでも多くの人で賑わっています。
他にBDO銀行やChinaBankもSMグループです。
ホテル事業も行っており、モールオブアジアに併設されているコンラッドホテルはSMグループが所有し、ヒルトンが運営をしています。
手掛けているコンドミニアムの傾向としては部屋のサイズが小さめのものが多く、単身者向けの物が多くなっています。そのため、賃貸需要も多く、投資用不動産としての人気も高くなっています。
フィリピンの大手不動産デベロッパーまとめ
フィリピンの大手不動産デベロッパーに共通して言えることは、多くがコングロマリットであり、インフラや銀行などの金融事業も手掛けていることが挙げられます。
【フィリピン不動産のエリア別に不動産価格やターゲット傾向をご紹介!】でも取り上げていますが、フィリピンの地域間人口格差は非常に大きく、今後もメトロマニラへの人口流入は必然とも言えるでしょう。
その中で政府との強い連携によって大手不動産デベロッパーは今後も成長を続けていくでしょう。
フィリピンの投資用の不動産を考えた際には、これらの情報を参考にしてください。