フィリピンの不動産でよくある「プレビルド」とは?

フィリピンの不動産投資につい情報収集していると「プレビルド」という言葉をよく耳にします。このプレビルドとはいったいどのような意味なのでしょうか?

海外ならではのプレビルド物件にまつわる、メリットやデメリットなどについても解説していきます。

目次

プレビルドとは?

そもそもプレビルド物件とは、「まだ開発段階の未建設の状態」で購入できる不動産を指します。この不動産の買い方は日本では禁止されていますが、フィリピンなどの海外ではよく行われている購入方法です。

日本でも最近では海外の不動産投資として、フィリピンの物件を積極的に扱う業者が増えてきました。これら業者が取り扱う物件のほとんどがプレビルド物件です。

実際に資料のみで販売ができるため手間がかからず効率的に販売できるため、竣工の4年以上前から販売が開始される物件があるほど。主に投資目的の不動産物件が、プレビルド方式で取引されます。

プレビルド物件の購入方法や支払い方法は?

それでは実際にプレビルド物件を購入する方法や支払い方法について見ていきましょう。
海外のプレビルド物件では、日本のように頭金を準備する必要がありません。ローンや分割払いを利用して購入してから少額を少しずつ支払っていくこともできます。

もちろん一括で購入することも可能で、その場合には5~15%ほどの割引を受けられることもあります。

プレビルド物件を購入後は、毎月の支払をしながら建物の完成を待ちます。物件が完成した時点で残額をデベロッパーへ全額支払います。これがプレビルド物件を分割で購入する際の方法です。

万が一完成後に支払うべき残金が一括で支払えない場合は、支払い済みのお金はすべてデベロッパー側へ没収されます。

プレビルドで不動産を購入するメリット

それではプレビルドで物件を購入する際のメリットについて解説していきます。フィリピンのみならず海外の不動産投資では一般的なプレビルド方式。日本の不動産投資では得られないメリットがあります。

メリット①割安な価格で購入できる

プレビルド物件の一番のメリットはやはり、割安な価格で物件を購入できるという点です。プレビルド物件は建物の完成が近づけば近づくほどその価格が高くなります。資金を集めて建物を建設する訳なので、早くからその計画に携わっている分だけ安く買えます。

フィリピンの不動産は日本に比べても格安ですが、それをプレビルド方式にすることでもっと抑えた価格で購入できるのです。

メリット②初期投資が少なくて済む

多くのプレビルド物件ではローンや分割払いが利用できます。また日本のように頭金が必要ない物件もあるため、初期投資が少なくて済むのもメリットです。このような物件であれば少ない初期投資で大きな利益を上げることも不可能ではありません。

またフィリピンでは「ノン・リコース・ローン」と呼ばれる住宅ローンを取り扱っています。このローンはたとえ途中で月々の返済が滞っても、物件の所有権を手放すことで残りの返済が免除されるというローンです。

日本のように保証人も必要なく、ローン残高と物件価格の差額による負債を抱えることもありません。

メリット③売却益に期待できる

購入価格が抑えられるプレビルド物件では、売却した際の利益も大きくなります。「キャピタルゲイン」と言われる売却益を期待できるのもプレビルド物件の特徴です。 もっと大きな売却益を得たいという方は、ごく初期の物件価格が安価な時期に一括払いで購入するという方法がおすすめ。物件の一括購入には割引が適用されるため、この割引を利用して完成前後で売却すると、キャピタルゲインもより大きくなります。

プレビルドで不動産を購入するデメリット

海外不動産の定番となっているプレビルド物件ですが、実はデメリットもあることを覚えておきましょう。不動産投資に限らず投資をする上でリスクは必ずあります。

これらのデメリットをよく理解したうえで投資することをおすすめします。

デメリット①建物が完成しないリスクがある

特に東南アジアなどの新興国に多いのですが、プレビルド物件の中には完成しない物件もあります。日本では信じられないことですが、建物を開発した会社が倒産することが主な原因です。 他にも計画通りに建設が進まなかったり、設備の不具合で完成してから再工事になることも。プレビルド物件にはこのようなリスクがあることを覚えておきましょう。 プレビルド物件選ぶ際には、実績があり資金を豊富に持つ大手の優良デベロッパーが建設するコンドミニアムなどであれば、そのリスクを減らせるのではないでしょうか。

デメリット②資金を寝かせることになる

無事に物件が完成しても、借主や売却先が見つからなければ収入がありません。無駄に資金を寝かせるというデメリットも出てきます。

フィリピンの不動産会社では日本の物件管理会社と違って、物件のメンテナンスや賃貸募集の広告、契約手続きなどを一括して代行してくれるところがほとんどありません。そのため自分で借主や売却先を探すか、管理してくれそうな会社を見つけるしかないのです。

(当社では売買から賃貸まで一元管理させていただくことが可能です)

そのような点からも資金を寝かせるというデメリットも考えられます。

デメリット③必ず値上がりするとは限らない

大手のデベロッパーが手掛けている物件で、「場所も良いので必ず将来値上がりします」と言われてコンドミニアムを購入したけど、なかなか値上がりせず売りそびれている方もいます。

せっかく資産を増やそうとプレビルド物件を購入したのに、結局資産を減らしてしまってはどうしようもありません。プレビルド物件購入する際には、物件と同じように不動産業者も慎重に選ぶようにしましょう。

「その物件はおすすめできません」とハッキリ忠告してくれるような、信頼できる不動産業者を探すことをおすすめします。

デメリット④途中で解約してもお金が戻ってこない

特にプレビルド方式で気を付けなければいけないのは、一度契約してから月々の支払途中で解約しようと思っても、支払ったお金は戻ってきません。プレビルド物件を購入した約1割の方が、資金が続かなくなったり、途中で気が変わって途中での解約を申し出ると言われています。

しかしながらそれまでに支払った購入代金はデベロッパーからの返金義務がないため、帰ってこないことを覚えておきましょう。このようなことが無いよう、物件を選ぶ際にはよく考えて自分の持っている資金の範囲内で購入しましょう。

プレビルドとリセールのどっちがお得?

「リセール」とは日本でいう中古物件のことです。フィリピンの中古物件はほとんどの場合は仲介業者の間でのみやり取りされます。ごくたまにデベロッパーの管理会社から物件情報が出る場合があります。

また現金を準備するためなどの理由で急いで売りたい人は「ラッシュセール」という方法で中古物件を売ることもあります。こちらは購入までスピードが求められるため、じっくり検討する時間が無かったりします。

フィリピンではリセールはあまり多く市場に出てきませんが、吟味してお買い得であれば候補の一つとして考えるようにしましょう。

まとめ

今回はフィリピンの不動産でよく聞かれるプレビルドについて解説してきました。お得に物件を取得でき、初期投資が少なくて済むプレビルド物件ですが、物件選びを間違うと建物が完成しなかったり、思うような利益が上げられない場合もあります。

フィリピンで不動産投資を考えている方は、それぞれのメリットやデメリットをよく勉強し、物件やデベロッパーについての情報収集を積極的にするようにしましょう。