ひと頃に比べると治安が良くなったと言われるフィリピンですが、海外で日本人が巻き込まれる殺人事件の約4割がフィリピンで起こっているのをご存知ですか?
今回はフィリピンの犯罪や治安について解説していきます。フィリピンへの渡航を考えている方や滞在予定の方はぜひご覧ください。
目次
フィリピンの犯罪の特徴とは?
殺人発生率が世界平均よりも高い
実は殺人事件の発生率が高いということが、「フィリピン=治安が悪い」というイメージを作り出している一因です。
日本人が殺害される件数を調べると、毎年5人前後の日本人がフィリピンで事件に遭っています。フィリピンに滞在している日本人の人数と比べても高い割合ですが、このほとんどが暴力団関係者や麻薬密売人などの裏組織の人間だということが、その後の捜査で分かっています。
また女性関係のトラブルや保険金詐欺などのターゲットが決まっている場合がほとんどです。
つまりこのことから、理由がなく観光客や留学生が被害に遭うことはめったにないと言えるのではないでしょうか。
強盗や強姦事件は少ないがぼったくりが多い
アメリカやイギリスなどに比べても、フィリピンでは強盗や強姦事件が少ないのが特徴です。もちろん日本と比べれば危険であることは間違いありませんが、危ない場所に行かない、多くの現金を持ち歩かないなどの対策を取ればそれほど危険ではありません。
逆に日本人だと分かると、お店などでお金を吹っ掛けられることがあります。常に自分は外国にいるのだという警戒心を持って、危険なエリアに行かないことが大切。とは言ってもフィリピン人と交流を避けるということではなく、上手にお付き合いしていく中で自分が被害に遭わないように注意していくことが重要になります。
フィリピンで多い犯罪
フィリピンには殺人や強盗、強姦などの他にも様々な犯罪があります。
置き引き/スリ/ひったくり・・・フィリピンでは最も多い犯罪、ストリートチルドレンに注意する。
ぼったくりタクシー・・・交渉により料金を決める場合は不当に高い料金を提示されることも。あえて遠回りされたり、釣銭がないと言われることもある。メーター+50~100ペソが相場。
睡眠強盗・・・日本語で知らない人に誘われて行った食事に睡眠薬が入っている場合も。昏睡している間に金品を奪う手口。睡眠薬入りのたばこや飲み物を進められることもある。
トランプ詐欺・・・日本語などで言葉巧みに食事に誘い、親しくなったところで現金を掛けたトランプゲームに誘われる。大負けさせるまで帰さないというパターンで有り金を巻き上げられる。
フィリピン国内で治安がいいエリア・悪いエリア
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治安がいいエリア
パサイ・・・マカティの隣にある街でニノイ・アキノ国際空港やアジア最大級のショッピングモールがあるエリアです。カジノや高級リゾートホテルなども集まっており、警備が厳重なので安心して遊べるでしょう。
ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)・・・近年特に開発が著しいエリアで、治安もいいのが特徴です。観光客は主にジプニーやトライシクルなどで移動しますが、犯罪の被害報告はほとんどありません。
バキオ・・・避暑地として開発されたエリアで、富裕層が多く住んでいます。都市部で多く見られるストリートチルドレンの数も少なく、日中なら安心して外出できるでしょう。
他にもオルティガスやアラバンなどのエリアが比較的治安が良いとされます。
治安が悪いエリア
マラテ・・・バーやナイトクラブなどが多く、マニラの繁華街として栄えてきた場所です。2018年には日本人男性が殺害される発砲事件が発生しました。他にもスリやひったくりなども横行し、観光客はあまり近づかない方がいいエリアです。
エドサ・・・比較的治安の良いマカティにもつながる大通りですが、観光客を標的にしたスリや恐喝などの軽犯罪が起こりやすいエリアです。なるべく一人では出歩かず、夜はタクシーなどを使って移動することをおすすめします。
トンド・・・別名は「スモーキーマウンテン」フィリピン国内でも有名なスラム街です。家を持たない浮浪者やストリートチルドレンが多くいるエリアです。犯罪はもちろんですが、衛生状態の悪さから来る病気にも気を付けましょう。興味本位では絶対に近寄らないように気を付けてください。
フィリピンでは貧富の差が激しいため、富裕層が住むエリアやマカティやBGCなどは比較的治安が良いとされます。一方その周辺地域や下町と呼ばれるエリアでは、様々な犯罪が発生しています。
また繁華街や観光地と言われる場所でも日本人が犯罪に遭うことも。そのため治安が良いとされている場所であっても、決して気を抜かず日本ではないということを頭に置いて行動しましょう。
フィリピンで過去に起こった邦人被害事件
フィリピンで日本人がトラブルに遭わないための注意点
- 多額の現金や貴重品は持ち歩かない
- 荷物からは目を離さず、貴重品は肌身離さず持つ
- 地味で目立たない服装で、決してブランドバッグなどは持たない
- 空港や街中の両替所で一度に多額の両替をしない
- 極力タクシーではなくGrab(Uberのような配車アプリ)を利用し、タクシーを利用する場合は専用の乗車場から利用する(白タクは運転手が強盗の場合も)
- 女性一人で外を出歩かない、男性一人であっても夜間や人通りの少ない場所は避ける
- 都会ではジプニー(乗り合いバス)になるべく乗らない
- 見知らぬ人に日本語で話しかけられても取り合わない
- 万が一強盗やひったくりに会ったら逆らわない(抵抗すると銃で襲われることも)