フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドとは?

AYALALANDとは
フィリピンでは最大手となるデベロッパー、アヤラランド。フィリピンの経済発展にも大きく寄与し、影響力をも持つ企業です。今回はこのアヤラランドがどのような会社なのかを詳しくご紹介します。

目次

フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドの会社概要


AYALALANDとは
まずはアヤラランドの会社概要についてご紹介します。
創業:1988年

アヤラランドはフィリピン最大手の不動産デベロッパーです。事業所はセブ・マニラ・マカティ・イロイロ・タギッグなど13カ所にあります。


アヤラランドは一面の湿地帯だったマカティを商業都市にした都市開発など、フィリピンの経済成長に大きく寄与する企業です。その功績により、マカティ市の公共施設には「アヤラ駅」や「アヤラ・アベニュー」といった、アヤラの名を冠するものがあります。


開発と販売を行う住宅は中所得者向けの低価格住宅から富裕層向けの高級物件など幅広く扱い、5つのブランドを展開しています。


グループ傘下には不動産以外に通信や金融といったさまざまな分野の会社が多いことから、エリアごとに用途に応じて住宅やホテル、商業施設などを開発できるのが強みです。

アヤラグループが展開する不動産以外のビジネス


アヤラグループは株式公開会社である持株会社アヤラ・コーポレーションを率いてさまざまな事業を展開しています。

不動産開発を手がけるアヤラランドを中核として、小売・教育・銀行・通信・水道インフラ・再生可能エネルギー・エレクトロニクス・情報技術・自動車・ヘルスケア・経営管理・BPO(業務プロセスアウトソーシング)などの事業を展開しています。

フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドの歴史


アヤラランドはフィリピンでは最大手となるデベロッパーですが、いかにしてそのような巨大な企業に成長したのかをご紹介します。


アヤラランドの創業者はハイメ・ベゾル・デベ・アラヤ氏です。親会社であるアヤラ・コーポレーションは、現在その長男のハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ 氏が率いています。


1988年にアヤラランドを創業し、翌年の1989年には三菱商事と合弁で工業団地開発会社のラグナ・テクノ・パークを設立しました。ここには240社以上が入居し、そのうち日系企業は4割以上になります。

1990年にはセブ・パーク・ディストリクトの開発を開始しています。セブ・パーク・ディストリクトはビジネスパークとITパークとで形成され、住宅・オフィス・商業施設などから成り立ちます。


1991年にはマレーシア証券取引所に上場し、2011年にはアヤラランドの子会社に三菱商事が40%出資しています。そして2013年には三菱商事と提携してアッパーミドル向けの住宅ブランド「アルベオ」を開発、2015年には赤坂に「アヤラ・ランド・プレミア東京ショールーム」を開設しました。そして2018年にはマレーシアの不動産会社MCTの経営権を取得しています。

フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドは日本企業とも提携している


本社のアヤラ・コーポレーションには日本の三菱商事も出資しています。三菱商事はアヤラランドと合弁会社を設立し、あるいはアヤラランドの子会社に出資もしています。


2011年には三菱商事との合弁会社であるPhilippine Integrated Energy Solutions Inc.(PhilEnergy)を設立しましたが、この会社はフィリピン国内のエネルギー効率を促進することを目的としています。


あるいは2012年に、ファミリーマートの親会社である伊藤忠商事と提携し、コンビニエンスストア事業にも参画しています。

フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドが展開する不動産ブランド


アヤラランドは全部で5つの不動産ブランドを保有し、それぞれに独自の路線で物件開発を行っています。

Ayala Land Premier

2011年に創立された不動産ブランドです。富裕層を対象にした高級物件を開発しています。建設エリアはBGC、カガヤン・デ・オロ、バコロド、バターン、マカティ市などです。

価格帯はコンドミニアムが最低で900万ペソ(2020年2月のレートでおよそ1,935万円)です。たとえばマニラ首都圏のタギッグ市で販売予定のコンドミニアムは、69平方メートルで20,426,000ペソ(およそ4,400万円)という価格になっています。

Alveo Land

アルベオランドは高級市場の価格帯で開発を行っています。レジデンシャルコンドミニアムや商業施設、オフィスビルも建設しています。展開するエリアはマカティ市やタギッグシティです。
価格帯はコンドミニアムが最低で300万ペソ(およそ645万円)です。たとえばマニラのセラドンパークというコンドミニアムは、24平方メートルから98平方メートルの広さで620万ペソから2,200万ペソ(およそ1,300万円から4,700万円)という価格帯になっています。

Avida Land

フィリピンの中流階級のニーズに応える住宅を提供しています。ターゲットはフィリピンの中所得者層になります。不動産を建設しているエリアはバタンガス、BGC、ブラカン、セブ、ダバオ市、マカティ、マニラ、タギッグシティなどです。
広報活動が評価されて、2018年にはフィリピンの広報協会(PRSP)が発表するアンビル賞でシルバーアンビルを受賞しています。さらに同じく2018年、LamudiのThe Outlook 2018で年間最優秀プレミアムコンドミニアムを受賞しました。Lamudiは新興国を中心に34か国で不動産情報を提供するポータルサイトです。
提供する不動産の価格は幅広く、300万円ほどから2,800万円ほどになります。たとえばマニラのマカティのコンドミニアムは50平方メートルほどで1,460万円ほどの価格です。

Amaia Land

手頃な価格帯の戸建て住宅やコンドミニアムをより多くの人に提供することを目的に開発するブランドです。ターゲットとしているのは、フィリピンの不動産市場の34%を占めるといわれる経済住宅セグメントです。Amaiaはスペイン語で「高い場所」や「夢の実現」を意味します。
エリアはメトロ・マニラ中心部以外となり、ターゲットとする購入層は公務員・教師・製造社員・中小企業経営者・企業家・海外で働くフィリピン人を含む家族などです。
コンドミニアム以外にも商業施設やタウンハウス(長屋式住居)、土地付き一戸建て住宅なども販売しています。
コンドミニアムの価格帯は500万円ほどとなります。たとえばマニラのコンドミニアムの場合、27.90平方メートルから32.71平方メートルの広さで230万ペソから290万ペソ(およそ495万円から623万円)となっています。

Bella Vita

低コスト住宅をより多くの人に提供することをコンセプトとしたブランドです。開発エリアはリアン・リパ市・トリアス・イロイロ市・カランバシティ・サンパブロ市などとなっています。

ターゲットとする購入者は公務員や労働者、起業家などです。


価格帯は最低で45万ペソ(およそ97万円)からとなっています。ルソン島のマニラ首都圏の都市、マンダルヨンのコンドミニアムは110万ペソ(およそ240万円)という価格で販売されています。

あるいはナガ市のタウンハウスは、専有面積22平方メートルのワンルームタイプの部屋が45万ペソで販売されています。ほかにロサリオ、カバナトゥアン市、タルラック州カパスなどに同じようなワンルームタイプのタウンハウスを販売しています。

フィリピンの不動産デベロッパーアヤラランドまとめ


アヤラランドは不動産以外にもあらゆる分野で事業を展開することから、複合的に不動産市場で開発できる企業となります。またタウンハウスや高級コンドミニアムなど、フィリピンの中流家庭から世界の富裕層まで、あらゆるターゲットに住宅を販売できる強みを持つ企業と言えます。