フィリピンの大企業といえば老若男女問わず挙がる名前の一つとして「SMグループ」があります。フィリピン各地に74のSMモールが点在し、どのモールでも多くの人で賑わっています。そしてその近隣にはSMDCが所有するコンドミニアムが存在しています。
既にあるモールの近くに物件を建てるのではなく、自らモールを含めたエリアの開発を行うことができる資金力は驚くべきものです。今回はそんな誰もが名前を知っている「SMグループ」のSMDCについて解説します。
目次
フィリピンの不動産デベロッパーSMDCの会社概要
創業年:1958年
創業者でもある故Henry Sy氏は1958年に現在のSMグループの前身となるShoemartという靴屋をマニラのリサール通りに創業しました。その後事業は順調に発展し、1972年には現在のキアポ地区のあたりに初めてデパートをオープン、1985年には初めてのモールとなるSMノースエドサをオープンしました。
2005年に親会社となるSM Investments Corporationが上場し、小売部門・不動産部門・銀行部門などの子会社で構成され、現在ではフィリピン国内で屈指の大企業に成長しています。
不動産部門を注目してみると、SM Prime Holdings, Inc.(SMPH) がモールの運営や開発を担当しており、その傘下にあるSM Development Corporation(SMDC)がコンドミニアムの開発運営を担当しています。
SMDCが所有するコンドミニアムの名前は、そのエリアや建物のコンセプトを特徴づける単語が付けられており、例えばモールオブアジアの近隣にあるマニラ湾近くのコンドミニアムには「Sea Residences」、避暑地として知られるタガイタイには「Wind Residences」、デラサール大学のすぐ近くにあるコンドミニアムでは大学のイメージカラーの緑を意味した「Green Residences」と付けられています。
SMグループが展開する不動産以外のビジネス
小売部門では各地のSMモールはもちろんのこと、コンビニのSavemore、AlphamartもSM系列です。またマカティやパサイなどにあるWaltermartというスーパーもSMグループが運営しています。
銀行部門ではBDO銀行とChina Bank銀行がSMの系列です。BDO銀行はJapan Deskが設置されているため、現地に住む日本人はお世話になったことがあるかもしれません。さらにBDOは東京支社があるので、都市銀行や地方銀行などと提携しているので日本人にとっては使いやすい銀行ではないでしょうか。
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その他にもタガイタイにあるタールビスタホテルやゴルフ場も所有しています。またモールオブアジアに併設されているコンラッドホテルはSMグループが所有・ヒルトンが運営と共同となっています。
フィリピンの不動産デベロッパーSMDCが展開する不動産ブランド
「Grace Residences」
BGCから車で約10分ほど、マカティまでは20分ほどの距離にある物件です。キーエリアから少し離れた場所に位置しているため都会の喧騒から離れ、優美な(Grace)ライフスタイルを提供することをコンセプトにしています。1時間に1本SMアウラまでのシャトルバスが出ているので買い物に困ることもありません。
「Breeze Residences」
「Jazz Residences」
マカティのブエンディア通りをほんの少し北に位置した場所にある物件です。マニラサウス墓地のすぐ目の前なので気になる方もいるかもしれませんが、その分周りに遮るものがないので眺めがよく、また通りに面していないのでジプニーなどの騒音も少ないです。名前の「Jazz」から連想されるようにおしゃれなレストランやバーが多いエリアなので大人でエレガントなナイトライフを期待できるでしょう。
こちらも一階部分は商業エリアとなっており、スーパーマーケットやレストラン、ミルクティーショップなどがそろっています。また日本食材を扱うグローセリーが近隣にあるので日本人にとっても住みやすいです。
「South Residences」
建設エリア:ラスピニャス市
タイプ:高層コンドミニアム
完成:2019年
平米数:22‐37 sqm
「Red Residences」
フィリピンの不動産デベロッパーSMDCまとめ
今回は誰もが名前を知っている「SMグループ」の概要、SMDCが所有する物件を紹介しました。このブランドのコンドミニアムは他のディベロッパーと比べ部屋のサイズが小さめなので、単身者向けのものが多い傾向にあります。
先月のニュースではSMDCの2019年の総収益が2018年と比べ24%上がり452億ペソとなっており、その人気の高さが伺えます。今後もSMDCの物件は多くの人々に注目されていくでしょう。