フィリピンに留学や就労するにはビザが必要になります。今回はそれらのビザの取得方法をご紹介していきます。
ビザの種類も解説していきますので、自分がどの区分に当てはまるのか確認してみましょう。
目次
フィリピンのビザの種類について
フィリピンのビザは大きく分けて3つのセクションに分かれ、全部で14種類あります。今回は特に該当する方が多い、非移民ビザや特別ビザについてご紹介していきます。それぞれ滞在形態や目的によって種類が異なります。
セクション9:非移民ビザ(ノンイミグラントビザ)
- 9(a)・・・商用や会議、観光や療養での滞在
- 9(b)・・・乗り継ぎでの滞在(ただし日本のパスポートを保有していれば不要)
- 9(c)・・・船舶の船員やクルー
- 9(d)・・・会社設立や投資家向け
- 9(e)・・・政府職員の公務による滞在
- 9(f)・・・就学のため(外国籍の18歳以上)
- 9(g)・・・就労のため
特別ビザ
投資家のための特別ビザ(SIRV)
雇用促進のための特別ビザ(SVEG)
10名以上のフィリピン人を雇用している外国人代表者やその家族に付与
退職者のための特別ビザ(SRRV)
外国人が退職後にフィリピンで滞在するため、滞在可能日数は無制限
特別移民ビザ(SNIV)
多国籍企業に雇用されている外国人や扶養家族に付与
オフショア銀行の特別雇用ビザ(SNIV)
在フィリピンの海外銀行に雇用されている外国人に付与
観光ビザとは?延長方法やビザなし滞在の条件
ビザなし滞在の条件
ただし日本国籍の方で以下の条件を満たす方はビザなし入国が認められています。
- ・渡航目的が会議や観光、療養など
- ・滞在期間が30日以内
- ・パスポートの有効期限が帰国日まであること
- ・パスポートの未使用部分が見開き2ページ以上
- ・30日以内にフィリピンを出国する航空券を持っていること
観光ビザの延長方法
フィリピンに観光目的で滞在する方の多くは、30日以内であればビザなし滞在をして、日数がオーバーする場合にフィリピン国内で延長手続きを行います。
あらかじめ滞在日数が30日以上と分かっているなら、日本で観光ビザを取得すれば?と思うのですが、日本でビザを取得する場合は書類の準備や手続きがかなり大変。そのためフィリピンで観光ビザの延長手続きを行うのが一般的です。
それではまず必要なものを見ていきましょう。
- ・パスポート
- ・申請書(フィリピン移民局にあります)
- ・申請料(滞在期間や更新までの期間によって異なる)
観光ビザの延長手続きができるのは、フィリピンの入国管理局や移民局の窓口です。移民局は本部以外にもマニラやセブに支局があり、大型ショッピングモールに入っていることもあります。
窓口に必要事項を記入した申請書とパスポートを提出し、希望する滞在期間分の申請料を支払えばOK。所要時間は30分~2時間程度、本部よりも支社の方が空いているのでおすすめです。お急ぎの方はエクスプレス料金を追加で支払えば、通常よりも早めに手続きしてくれます。
なるべくビザの期限よりも1週間以上前に手続きをしましょう。万が一、オーバーステイになってしまえば一日当たり500ペソの罰金が課せられてしまいますのでご注意を。
マニラエリアの移民局
マニラ首都圏にあるボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)には、ショッピングモールに併設されている移民局のオフィスが入っています。
BGCの中心地に当たるハイストリートから徒歩で5~10分前後、「SM Aura Premier(SMアウラプレミア)」の一角にあるSM Aura Office Tower(SMアウラオフィスタワー)の8階に移民局があります。
ワンフロアすべてが移民局となっているので、混雑しにくいのが特徴。またショッピングモールでの買い物のついでに立ち寄ることができるのもうれしいですね。
Sm Aura Immigration Satellite Office(Smアウラ入国管理局)
住所:8th level, SM Aura Tower, McKinley Pkwy, Metro Manila
電話:(02) 8800 4892
営業時間:AM8:00~PM17:00
セブエリアの移民局
セブ島を代表するショッピングモール「Jセンターモール」の中にも、観光ビザの延長手続きが可能な入国管理局があります。場所はマクタン島とセブシティとをつなぐ橋のすぐそば。
建物内には店舗やレストラン、ホテルなどが入る大型の商業施設です。ここの建物の2階に入っており、手続きができるのは毎週月曜日から金曜日の平日です。
Jセンターモールの正面入り口を入り、まっすぐ行った正面の薬局を右折、両替所の奥のエスカレーターを上って2階に行くと入国管理局セブ支局に着きます。
Bureau of Immigration Cebu District Office (入国管理局セブ支局)
住所:J Center Mall, A.S. Fortuna St., Banilad, Mandaue City
電話:032-505-4166
営業時間:AM8:00~PM18:00
観光ビザの延長申請時間は、6か月未満滞在:~PM17:00・6か月以上滞在:~PM15:00
フィリピンの留学ビザを取得する方法
フィリピンに留学する学生の方は9(f)の留学ビザか、SSP(特別就学許可証)が必要となります。9(f)はフィリピン入国管理局が承認している大学や専門学校で学ぶ学生、SSPは英語などの語学留学をする学生が取得します。
日本人がフィリピンに留学するのは多くの場合、英語を勉強するためなので、今回はSSPの取得方法について解説していきます。
- 滞在可能日数・・・6か月
- 申請方法・・・通常は語学学校が代行申請
- 費用・・・6,300~6,800ペソ
たとえ数日~一週間の語学留学でもSSPの申請が必要になります。6か月を超えて留学する場合は再度申請しなおします。また語学学校を変わる場合は期間内であっても再申請が必要です。
フィリピンの就労ビザを取得する方法
フィリピン国内で就労するには9(g)の就労ビザが必要です。
こちらは基本的に個人での取得はできません。かならず就労先の企業経由で手続きを行いましょう。
また就労期間が6か月を超えるかどうかにより必要な就労許可が違います。それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。
就労ビザ9(g)の取得方法
この就労ビザで働けるのは2年まで、最長でも3年まで延長ができます。ただし職種はフィリピン人では従事することが難しい技術者や管理者に限られます。
就労ビザの取得方法は、一度9(a)ビザをフィリピン大使館に申請して取得します。フィリピンへ入国後、就労ビザ9(b)の申請を入国管理局へ下記の必要書類を提出して手続きを行います。
- ・公証人の証明付申請書または雇用契約書
- ・履歴書、パスポート(コピー)
- ・会社定款、会社の納税証明書、会社登記簿
- ・外国人雇用許可証または申請書(コピー)
- ・地方政府発行の営業許可書
- ・年次報告書(コピー)
- ・財務報告書または納税申告書(コピー)
- ・会社の身元引受書
- ・会社からの9gビザ切り替え依頼書
- ・労働局が掲載した外国人雇用許可の新聞記事
- ・犯罪経歴証明書
- ・申請料:11,000ペソ
必要書類は担当官の判断によって変わる場合があります。詳しくは入国管理局へお問合せ下さい。
書類の提出後、入国管理局で英語の面接があります。受理されたのちパスポートは返却されます。
こちらのビザは取得まで2~3か月ほどの期間がかかりますので、なるべく早めに手続きをしましょう。
就労許可(2種類)の取得方法
フィリピンで働くには就労ビザ+就労許可の取得が必要になります。それぞれの就労許可の取得方法をご説明します。
6か月未満の就労の場合・・特別就労許可SWP(Special Work Permit)
申請先・・・フィリピン移民局
有効期間・・・3か月有効で一回限り延長可能
申請方法・・・受け入れ先の企業が行う
申請費用・・・3,500ペソ
6か月以上の就労の場合・・・外国人雇用許可証AEP(Alien Employment Permit)
申請先・・・フィリピン労働雇用省
必要書類・・・申請書・雇用契約書・雇用主の営業許可書・証明写真・パスポートとそのコピー
申請手数料・・・1年:9,000ペソ、2年:13,000ペソ、3年17,000ペソ
申請方法・・・書類提出後、労働雇用省で面接(英語)あり
こちらは申請が受理されてから1~2週間で許可証が受け取れます。
フィリピンのビザに関する問い合わせ先
フィリピンのビザに関して、より詳しく知りたい場合には、以下で対応してもらえます。
ご自身にあったビザが何かわからないなどのご不明点も含めて、弊社で代行させていただくことも可能ですので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
フィリピン共和国大使館 (東京)
住所:〒106-8537 東京都港区六本木5−15−5
電話番号:03-5562-1600
開館時間(ビザ業務):9時~12時、14時~15時 (月曜日〜金曜日)
フィリピン共和国領事館 (大阪)
住所:〒540-0001 大阪府大阪市中央区城見2-1-61 ツイン21MIDタワー
電話番号:06-6910-7881
開館時間:9時~17時 (月曜日〜金曜日)
入国管理局 ヘッドオフィス (マニラ)
住所:Magallanes Dr, Intramuros, Manila, Metro Manila
電話番号:+63-(0)2-465-2400
開館時間:8時~17時 (月曜日〜金曜日)
フィリピンでビザを取得するには?ビザの種類や取得方法を徹底解説!まとめ
今回は観光ビザや留学ビザ、就労ビザを中心にフィリピンのビザ取得について解説してきました。
日本人はビザなし滞在が認められているので、30日以内であればビザが無くても問題ありません。
ただし現地で語学学校に通ったり、現地法人で働くには該当するビザが必要に。就労ビザなどは複雑で分かりにくいように見えますが、フィリピンのビザは比較的取得しやすいと言われています。
余裕をもって手続きを進めましょう。